ITIL 徒然草

ITILの資格認定制度


ITIL のオーナであるOGC(office of Government Commerce)は、 ITILのフレームワークが正しく普及することを目的として、 ITサービスマネジメントの領域における個人の能力を認定する資格制度を作りました。

ITサービスマネジメントに取り組む企業にとって、 この資格制度はスタッフにサービスマネジメントの知識を習得させる1つのきっかけになっています。 認定資格には、「ファンデーション」「インターミディエイト」「エキスパート」 の3段階で構成されており、 特に、「ファンデーション」は昨年の時点で既に10万人以上がこの資格を取得しているそうです。 サービス・プロバイダの技術者にとっては、自身がITIL の改善活動に参加するための知識があることを客観的に証明するための資格になっています。

さらに上位の資格は、サービスマネジメント各領域の専門家として必要な知識や経験を持っていることを証明することができます。 上位の資格を取得するためには認定された教育プロバイダによる公認のトレーニングを受け、 かつ認定資格に合格しなければなりません。 ITIL の普及に長年関わってきた多くに組織が協議して確立してきた枠組みであり、 サービスマネジメントの実力を客観的に証明することができる、世界で通用する認定資格です。

ファンデーションの認定試験は60 分間で、複数の選択肢から1つを選択する形式の問題が40 問出題されます。 全体のうち65%(26 問)以上正答すると資格が与えられます。 認定試験の出題範囲はシラバス(Syllabus)という文書で公開されており、 ファンデーション資格試験の出題範囲は明確に定められ、公開されています。

ITILの資格認定制度の詳細は、ITILの公式サイトの 認定試験の枠組み(ITIL Qualification Scheme)を説明しているページの 「Japanese - ITIL Qualification Scheme Brochure」という名のpdf ファイルに分かりやすく紹介されています。

先に述べたITILファンデーションのシラバスや模擬試験も、このページの「ITIL Foundation 」という項目をたどっていくと、 英語の文書ではありますがダウンロードすることができます。 (注:このページに掲載されているシラバスや模擬試験は ITIL 2011版を対象にしたもののようです。 現在、日本で実施されている試験に関する情報ではありませんのでご注意ください。)

次回は、2012/9/25の予定です。

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