ITIL 徒然草

変更の管理


進化論を提唱したダーウィンは、その著書の中に次のようなことを記したと言われています。

 「最も大きい者や、最も強い者、最も賢い者が生き残るのではない。
最も適応した者が生き残るのだ」


ビジネスを成功させるためにも、我々は常に変化することを求められています。 いかに安定した大企業でも、その地位に安穏としていればいつかは危機にさらされます。 そのことは、昨今のニュースを思い起こすだけで実感していただけるでしょう。

しかしながら、変更はリスクでもあります。変化の方向を見誤ったり、 変化することに失敗すれば、企業の存在価値まで否定されてしまうことになりかねません。 変更のインパクトは把握され、管理されなければなりません。

変更を管理することは、内部統制を確立するためにも不可欠な要素です。
ビジネスの上級管理職に対してITガバナンスの要点を示している 「ビジネスの観点 パート2」の中でも、ITIL は変更を管理することの重要性を 訴えています。

ITインフラストラクチャとサービスの変更を管理するベストプラクティスとして、 ITILは 変更管理構成管理リリース管理を定義しました。この3つのプロセスが 有効に機能することで変更はコントロールされ、結果として運用環境に秩序をもたらします。

変更管理は迅速な変更手順を確立すると同時に、変更のリスクを管理します。 変更の承認は変更管理の活動であり、変更のコーディネートや結果に対する責任も 持っています。

構成管理は、ITインフラストラクチャやサービスの情報が最新で正確であることに 責任を持ちます。リリース管理は、品質が保証できるリリースの仕組みを確立し、 稼働環境とそのサービスを保護します。

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