リリース管理

組織として変更が承認されると、承認された変更が稼働環境に対して実施されます。これがリリースです。サービスマネジメントに関わっている人々は、リリースが新たな障害の原因になる可能性があることを、経験的に知っています。

リリースにおける過去の経験を生かし、より安定したリリースを実現することで、サービスの品質向上に貢献することがリリース管理には求められます。

サービスサポートに示されているリリース管理の活動は以下の６つです。

① リリースの計画立案
② リリースの設計、構築および設定
③ リリースの受け入れ
④ 投入計画立案
⑤ コミュニケーション、準備およびトレーニング
⑥ 配布とインストール

リリースには、ハードウェアのリリースもあれば、ソフトウェアのリリースもあります。大規模なリリースもあれば小規模な機能変更もあるでしょう。サービス内容の変更もリリースの一つです。

リリース管理は、リリースの規模や対象に合わせて、最もその組織に適したリリースの仕組みを確立します。

正式な手順とチェックを通した稼働環境とそのサービスの保護がリリース管理の 目標なのです。

求められる出力によって、リリース管理の各活動が何を行うべきかが見えてきます。

① リリースの計画立案における出力(P223)

リリース計画

上位レベルのテスト計画

上位レベルの受け入れ基準

② リリースの設計、構築および設定における出力(P224)

リリースの組み立て、構築指示書

外部ソフトウェアの注文書、ライセンス、保証

自動インストール・スクリプトとテスト計画

インストール・メディアとインストール指示書

切り戻し手順

③ リリースの受け入れにおける出力(P225)

テスト済みインストール手順

テスト済みリリース・コンポーネント

テスト済み切り戻し手順

稼働環境に送られる既知の欠陥

テスト結果

システム概要を含むサポート文書、サポート手順、診断支援ツール

運用および管理作業の指示書

緊急時対策と切り戻し計画

スタッフや顧客に対するトレーニング・スケジュール

全ての当事者が署名した受け入れテスト文書

（変更管理を通じてなされた）リリースの実装許可

④ 投入計画立案における出力(P225-226)

正確で詳細なイベントのタイムテーブル

インストールおよび廃棄すべき構成アイテムのリスト

拠点ごとの行動計画

リリース・ノート

コミュニケーション計画

調達計画

ハードウェアやソフトウェア

⑤ コミュニケーション、準備およびトレーニングにおける出力(P228)

トレーニング資料や文書の最終版

更新されたリリース計画や文書

⑥ 配布とインストールにおける出力(P229)

ユーザ文書とサポート文書を含む最新のITサービス

更新されたCMDBレコード

廃棄した構成アイテム

新リリースに伴って稼動システムに送られた既知のエラー

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