ITIL 徒然草

ナレッジ管理


バージョン3のサービス移行に記載されているナレッジ管理の説明の多くは、バージョン2の アプリケーション管理「役割と機能の整理」の章において、ナレッジマネジメントという 表現で紹介されています。

指導者たちは、ナレッジマネジメントにより育まれる共有と革新が組織にとって重要だという、 単純にして明快なメッセージを送る必要がある。
(アプリケーション管理 P99)

つまり、ナレッジを共有する精神や行動は企業の文化であり、企業の経営陣が率先して情報の 共有に取り組まなければならないことを訴えています。有効なナレッジ管理は サービスマネジメント・ライフサイクルのあらゆる場面において、すべての関係者を支援する貴重な 財産です。

ナレッジ管理では、DIKWという新たな用語が紹介されています。これは、Data(データ), Information(情報), Knowledge(ナレッジ), Wise(知恵)のそれぞれの関係を 説明するものです。

- データは事象についての個々の事実であり、様々な形でインフラストラクチャ上に存在 します。

- 情報は、データに前後関係をもたらすことで生まれ、通常、文書、電子メール、マルチ メディアのようにやや構造化された状態で保管されています。

- ナレッジは、個人が持っている暗黙の経験、考え、見識、価値および判断で形成されます。 意思決定がしやすいように、情報を「使える形」に変えたものです。

- 知恵は、全体の流れを踏まえた上で、確固たる常識的な判断を行うための本質を 捕らえた具体的な洞察です。

ナレッジ管理の章には、以下の各テーマに関する良い実践のための知恵がまとめられて います。

- ナレッジ管理に関する戦略
- ナレッジの伝播
- データと情報の管理
- サービスナレッジ管理システムの利用

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