第7話 価値の共創(2021/4/6)
物々交換から始まった人類の経済は、
貨幣という価値交換の道具によってさらに拡大し現在に至っています。
私たちは生産者によって生み出される商品を、
貨幣を用いて獲得し消費するようになりました。
企業はサプライヤから入手した材料を加工することで新たな価値を付加し、
より大きな価値ある商品として消費者に販売します。
一方、消費者によって使用される商品の価値は、
時間の経過とともに徐々に失われ、
最後には破棄されると考えてきました。
プロバイダがサービスの価値を創造し提供するという従来の私たちの考え方を、
モノの価値を中心に経済活動を捉えているので
グッズドミナントロジックと呼んでいます。
しかし、いかなるサービスも消費者がサービスを利用しない限り、
価値を生み出すことはありません。
プロバイダは消費者に対してサービスの価値を提案することしかできず、
その価値を創造するか否はサービス消費者の判断と行動に委ねられているのです。
サービスの価値は、消費者が商品を使用する過程において生み出されています。
生産者と消費者がリソースを持ち寄り、
サービスを通して価値を生みそれぞれにとっての価値を獲得してるので、
サービスは価値を共創する仕組みであると捉えられるようになりました。
これが、サービスの価値を中心に経済活動を捉える、
サービスドミナントロジックです。
プロバイダも製品やサービスの対価として貨幣という形で価値を獲得しているので、
プロバイダと消費者という区別はせず、
両者の相互作用によって価値を生み、
それぞれの価値を獲得する対等な関係と捉えます。
サービスドミナントロジックの下では、モノもサービスの1つです。
プロバイダがモノを製造する工程をサービスと捉えるのです。
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