DX徒然草

第6話 コモディティ化の時代(2021/3/21)


情報の伝播が以前とは比べものにならないほど速く広範囲に渡るインターネットの時代には、 他社と差別化を図ることが難しくなりました。かつては、 情報を組織外に出さないことで他を引き離すことができました。 しかし、よほど奇抜なアイデアでない限り、似たようなアイデアは巷に溢れていて、 誰かが新たな商品を世に送り出すと、 同じ技術を使うか別のアプローチをとるかは別として、 素人には違いが分からない同様の商品が生まれます。 回転ずしや出前サービスもその一例です。

コモディティ化とは多数の類似商品が市場に溢れ、 商品間の差異がなくなって市場価値が低下することです。 コモディティ化の時代とは、 このようにすぐに商品価値が低下してしまう現在の状況を表現しています。 商品間の格差がなくなると競争は価格に向かいます。 つまり、激しい価格競争に巻き込まれ、企業は利益を上げることができなくなってしまいます。 冷蔵庫や洗濯機など、かつては日本のお家芸であった白物家電も、 人件費の安い他のアジア諸国にお株を奪われてしまいました。

機能や品質による差別化が難しい場合、 顧客の感情に訴えることで価格競争から距離を置くことができます。 俗にいう日の丸家電は、 日本企業に対する信頼や日本そのものに対する愛国心などによって 日本人の感情に訴えることで日本国内で成功してきました。 しかし、日本のGDPは世界の7%と言われ、 日本の市場だけで競争していては、結果的に世界から取り残されてしまいます。 その代表は携帯端末の市場で、 ガラパゴス化と揶揄され、多くの日本企業が次々と脱落していきました。

今世紀に入って競争の舞台は製品からサービスに移りましたが、 サービスにおいてもコモディティ化は当然起こります。そして、 顧客体験(カスタマーエクスペリエンス) の高いサービスへとより早く進化できる企業が世界を席巻するようになりました。 製品の場合、人や工場など経営資源を整備するために時間がかかります。 しかしサービスであれば、比較的少ないコストで、 手間をかけずに世界中に商品を展開できるのです。 それがGAFAであり、アリババを始めとする中国の大手IT企業です。

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