DX徒然草

第3話 伝統的マーケティング(2021/3/1)


前回、企業の商品と顧客を結びつける活動がマーケティングであるという話をしました。 デジタルマーケティングの話をする前に、 これまでの伝統的なマーケティング手法を振り返ってみましょう。 企業が市場を開拓するために、次のようなアプローチが広く採用されてきました。

① 市場調査(マーケティングリサーチ)
② 市場の細分化(セグメンテーション)
③ ターゲティング
④ ポジショニング
⑤ 具体的な実行戦略の策定[マーケティングミックス(4P, 4C)]
⑥ マーケティング戦略の実行
⑦ 実行結果の分析

②セグメンテーションでは、 顧客の属性や商品に対するニーズなどに基づいて市場を分割します。 個人向けの自動車を企画する場合でも、 通勤に利用する車とレジャーに利用する車では求められるものは異なります。 もちろん、両方の用途で利用したいという顧客もいます。 このように、市場を細分化する作業をセグメンテーションと呼びます。

③ターゲティングでは、細分化された市場から自分たちが狙うべき市場を絞り込みます。 この時、自分たちの商品の強みや弱みを理解した上で、 自社の商品が他社より優れていることを市場にアピールすることが求められます。 そして、他社の商品との違いを顧客にも自社の販売員にも明らかにするのが ④ポジショニングです。

全体の方向性が定まったら、具体的な活動計画を策定します。 どんな商品(プロダクト[Product])をいくら(価格[Price])で販売するのか。 また、どのような流通ルートを使い、どこで(場所[Product])販売するのか。 さらに、宣伝や広告などどのような方法で販売促進(プロモーション[Promotion]) を行うのかを検討します。 これらの検討項目は、1960年にエドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱したもので、 英語の頭文字から4Pと呼ばれています。

1993年には、ロバート・F・ロータボーンが4Pは売り手側の視点でえられているとし、 消費者側の視点で、4Cという観点が示されました。つまり、 その商品が顧客にとってどれだけ価値がある(カスタマーバリュー[Customer Value])のか。 その価格(コスト[Customer cost])は顧客にとって妥当なのか。 顧客にとって便利な入手方法(利便性[Convenience])はどのような形態か。そして、 それらの情報をどのように伝える(コミュニケーション[Communicatio])べきかです。

⑤マーケティングミックスは、 これらのような市場の要素を組み合わせてマーケティング戦略を決定することであり、 ニール・ボーデンが1959年に最初に使用したと言われています。

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