ITIL 徒然草

MALC
(ライフサイクル全体の管理)


今回は、インターミディエイト・コースケイパビリティ・モジュールライフサイクル・モジュールの上位に位置づけられる ライフサイクル全体の管理(MALC: Managing Across Lifecycle) と呼ばれるコースおよび資格についてお話ししたいと思います。

このコースは、インターミディエイトの資格をサービスマネジメントの各領域を網羅する形で取得していなければ受講することができません。 また、このコースの後に控えている試験に合格すると、ITILエキスパートの資格が取得できるという意味で、 インターミディエイトの資格とは一線を画する資格になります。

第157話にも記しましたが、 この試験ではブルームの目標分類学における「応用」「分析」に加えて、「統合」の思考能力が試されます。 つまり、サービス・プロバイダが様々な状況の中で包括的に状況を把握して、 ITILのコア書籍に記されているサービスマネジメントのフレームワークやベストプラクティスを利用しながら、 適切な意思決定を行うことができるか否かを評価します。

この資格に対するよくある誤解は、 ITILコア書籍の技術的側面を深く突き詰めて理解することで、 試験問題に対する適切な解答が導き出せると思い込んでしまうことです。 サービスのライフサイクル全体を管理するいうことは、 組織全体で起こっている事象を経営者の視点で包括的に捕え、 事業目標を達成するための判断をしなければなりません。

ITILのフレームワークを正しく理解することは不可欠です。 サービス・プロバイダが置かれるさまざまな場面で、 コア書籍に記されているどのベストプラクティスを適用するかが分かれば正しい答えを導き出すことがより容易になります。 ただ、それと同時に利害関係者、特に事業側や経営者に対する配慮を忘れてはなりません。

第161話 第163話

ITIL 演習システム


目次

ベストプラクティス
(2013/1/25)

MALC
(2013/1/10)

OSA
(2012/12/25)

RCV
(2012/12/10)

PPO
(2012/11/25)

SOA
(2012/11/10)

インターミディエイト資格
(2012/10/25)

シラバス
(2012/10/10)

ITILの資格認定制度2
(2012/9/25)

ITILの資格認定制度
(2012/9/10)

ITILの教育サービス
(2012/8/25)

ライセンスされたITIL本
(2012/8/10)

Best Management Practice
(2012/7/25)

itSMF
(2012/7/10)

itSMF Japan
(2012/6/25)



すべてのアーカイブ