ITIL 徒然草

Global Best Practice


Global Best Practiceについては、ITIL徒然草第151話 Best Management Practiceで取り上げていますが、 改めて一言で説明すると、

ITガバナンス領域のベストプラクティス集で、 英国政府やその関連組織が戦略的に開発し、世界規模で普及させようとしている知識体系

です。

表面上は公的な知的財産として、誰もが自由に利用することができますが、 その知識体系が普及することで、 英国政府は教育や出版などの分野からライセンス収入を得ることができます。

具体的には、次にような知識体系が既に開発されています。

ITIL - サービスマネジメント
PRINCE2 - プロジェクト管理
MSP - プログラム管理
M_o_R - リスク管理
P3M3 - ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト(3P)管理成熟度モデル(3M)
P3O - ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト・オフィス
MoP - ポートフォリオ管理
MoV - 価値管理(バリュー管理)

ITIL、そして、欧州を中心に普及しているプロジェクト管理手法と言われているPRINCE2 以外は、まだ市民権を得ているとは言い難いものばかりですが、 ITを管理するために、どのような知識体系が必要とされているかを整理するためにも、 Global Best Practice について、調べていきたいと思います。

まずは、ITIL以外のベストプラクティスについて簡単にご紹介します。

PRINCE2 - プロジェクト管理

英国政府によって開発されたプロジェクト管理のベストプラクティスで、 (AXELOSによると、)実質的な標準(デファクト・スタンダード)であり、 すべての業種を通して、英国や国際的な場面で幅広く利用されているそうです。

MSP - プログラム管理

組織戦略に基づく変更を支援し、成果や利益をもたらす複数のプロジェクトで構成されるプログラムを、 組織が設計、計画、実行するためのベストプラクティスを提供します。

M_o_R - リスク管理

M_o_R は、「Management of Risk」の略であり、リスクを管理するための道しるべです。 M_o_R には、リスク管理に関する原則、手法、関連する一連のプロセス、そして、 より詳細で専門的な知見を得るためのポインタが含まれています。

P3M3 - ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト(3P)管理成熟度モデル(3M)

P3M3 の P3は「Protfolio, Program, Project」を、 3Mは「Management Maturity Model」を意味しています。 P3M3は、組織が現在のパフォーマンスを評価し、 改善計画を立案できるような、成熟度モデルの標準です。

P3O - ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト・オフィス

組織の中で、ポートフォリオ管理(MoP)、プロジェクト管理(PRINCE2)、 プログラム管理(MSP)、そして、リスク管理(M_o_R)を整合させながら適切な統治構造を構築し、 維持していくための手引書です。

MoP - ポートフォリオ管理

MoP は、変更のポートフォリオを立案し、 実現する責任がある上級管理職や実務者に対して、 ポートフォリオ管理を導入したり、活性化したりするための原則、 技法、慣例などの手引きを提供します。

MoV - 価値管理(バリュー管理)

MoVは、プロジェクト、プログラム、 ポートフォリオから得られる利益を最大化するための手引きを提供します。 この手引きは、さまざまな業界での長年に渡る価値管理への挑戦と成功に基づいています。 その原則、プロセス、技法は、AXELOSのプロジェクト管理、プログラム管理、 ポートフォリオ管理と整合するものです。

尚、これらの情報は、AXELOS のホームページ から入手することができます。

次回は、2014/5/10の予定です。

第2話