PRINCE2は、PRoject IN Controlled Environments という表現に由来するそうです。日本語に直訳すると、 「コントロールされた環境におけるプロジェクト」ということになるでしょうか。
AXELOSによれば、PRINCE2は、 すべての業種を通したデファクト・スタンダードとして、 英国のみならず国際的なプロジェクトにおいて、 幅広く利用されているプロジェクト管理のベストプラクティスだそうです。
別の言い方をすれば、PRINCE2は、プロジェクトを計画、管理、 コントロールするために英国政府が開発したプロジェクト管理のフレームワークということです。
日本で最もよく知られているプロジェクト管理の知識体系として、PMBOK (Project Management Body Of Knowledge)がありますが、 PRINCE2とPMBOKは、全く競合するものでもないようです。 この2つのフレームワークの関係性については、別の機会に注目してみたいと思います。
さて、プロジェクトという言葉の意味に関する確認ですが、 プロジェクトには、 有期性と独自性という特性があります。 有期性とは、明確な開始点と終結点があるということであり、 独自性とは、創出する成果物やサービスが唯一無二であるということです。 つまり、有期性と独自性という特性を持ち、 期待される成果を決められた時間とコストで実現する組織の活動を、 我々はプロジェクトと呼んでいます。
このような特性を持つプロジェクトをコントロールするフレームワークとして、 PRINCE2は、原則、テーマ、 プロセス、プロジェクト環境の調整という4つの要素を持っています。
原則は、PRINCE2のフレームワークを支える土台であり、 PRINCE2に記されているすべてのことは、この原則に基づいています。
テーマとは、プロジェクトを通して継続的に注目しなければならない、 プロジェクト管理のさまざまな側面です。
プロセスでは、プロジェクトのさまざまな局面で、 誰がそれぞれのテーマに責任を持っているかに注目します。
また、プロジェクトはそれぞれに異なるので、 各テーマ、各プロセスを その環境に合わせて調整することが求められます。それが、 プロジェクト環境の調整です。
これから、PRINCE2の4つの要素、すなわち、原則、テーマ、 プロセス、プロジェクト環境の調整について、 より詳しく見ていきたいと思います。
次回は、2014/6/10の予定です。