前回はステークホルダというテーマで、プロジェクト委員会の説明をしました。 プロジェクト委員会は、顧客、ユーザ、 サプライヤの代表で構成され、 プロジェクトの重要事項に対する決定権と最終的な説明責任を持つ会議体です。
ただ、実際にプロジェクトを管理するのは、 プロジェクト委員会から日常のマネジメント業務を委託されている プロジェクト・マネージャです。 プロジェクト・マネージャは、 プロジェクト委員会からあらかじめ決められた期間単位でプロジェクトの管理を委託されます。 このプロジェクトの管理単位をPRINCE2では、マネジメント段階と呼んでいます。
プロジェクト・マネージャはさらに、 1つ以上の成果物単位でチーム・マネージャに作業を依頼します。 このように、PRINCE2の管理レベルは、プロジェクト委員会、 プロジェクト・マネージャ、そして、 チーム・マネージャという3階層で構成されています。
この3者を中心に構成される、 プロジェクト管理に責任を持つ人々の集団がプロジェクトマネジメント・チームです。 PRINCE2では、プロジェクトマネジメント・チームの構成要員として、 他にプロジェクト・サポートとプロジェクト保証という2つの役割を定義しています。
プロジェクト支援は、 プロジェクト管理業務や構成管理業務など、 プロジェクト管理に関連する業務を通してプロジェクト・マネージャをサポートする役割です。 リスク管理のように、専門的な知識やスキルによって、 特定の専門領域をサポートすることもあります。
プロジェクト保証は、プロジェクト委員会の代わりに、 プロジェクトが社会や組織のルールに従って実施されていることを保証する役割です。 成果物によって組織にベネフィットをもたらすというプロジェクト本来の目的とは、 別の立場でプロジェクトに参加するため、 プロジェクト・マネージャを支援しつつも、牽制し合う関係になります。
次回は、2014/12/10の予定です。