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例外による管理


前回は、段階による管理と呼ばれるPRINCE2の原則に注目し、 マネジメント段階という概念を説明しました。 今回は、例外による管理と呼ばれる次の原則に注目して、 PRINCE2のプロジェクト管理手法をご紹介します。

PRINCE2のプロジェクトでは、委譲する権限を制限するために、 それぞれの達成目標に応じた許容度を設定する

PRINCE2のプロジェクトマネジメント・チームには、 プロジェクト委員会プロジェクト・マネージャチーム・マネージャという、 3段階の管理レベルがあります。 そのプロジェクトはさらに、 企業組織(コーポレート)プログラムによって管理されています。 つまり、次の4段階の管理レベルによって、 プロジェクトの秩序は保たれているということです。

① コーポレート、または、プログラム管理
② プロジェクト委員会
③ プロジェクト・マネージャ
④ チーム・マネージャ

プロジェクトのコントロールは、 上位の管理層から下位の管理層に委託されるわけですが、 次のように下位になればなるほど委託する範囲は狭まります。

① コーポレート、または、プログラム管理
↓(プロジェクトの管理を委託)
② プロジェクト委員会
↓(マネジメント段階の管理を委託)
③ プロジェクト・マネージャ
↓(ワークパッケージの管理を委託)
④ チーム・マネージャ

PRINCE2にはこのように、 プロジェクト委員会はプロジェクトの管理プロジェクト・マネージャはマネジメント段階の管理チーム・マネージャはワークパッケージの管理という、 管理のフレームワークが定義されているのです。

それぞれの管理対象はさらに、 時間(Time)コスト(Cost)品質(Quality)範囲(Scope)リスク(Risk)ベネフィット(Benefit) に対する達成目標を持っています。 これらの達成目標に対しては、それぞれに許容度を定義します。 そして、 もし与えられた許容度を逸脱した場合には、 必ず上位の管理層に報告します。 これは、上位の管理層に対して、 プロジェクトを立て直す機会を提供しているということです。

つまり、PRINCE2は、委譲する権限に制限を設けることで、 プロジェクトの目標達成に対するリスクを管理しています。 プロジェクトの指揮や管理に対する明確な許容範囲の定義は、 上位の管理層がタイミング良く例外に関与できるで、 効率よくプロジェクトを管理することができます。

次回は、2015/2/10の予定です。

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