(運用サポートと分析)
今回は、インターミディエイト・コースのケイパビリティ・モジュールから 運用サポートと分析(OSA: Operational Support and Analysis) についてお話ししたいと思います。
運用サポートと分析(OSA)は、サービスを供給しているステージにおいてサービス・プロバイダが実施しなければならないこと、すなわち、インシデント管理、問題管理、 イベント管理、要求実現、 アクセス管理など、ITILのコア書籍、 サービスオペレーションに掲載されているプロセスに携わっている組織のリーダやマネージャを対象にデザインされたサービスマネジメントの中級コースです。
それは、サービスオペレーションでサービスデスク、 IT運用管理、技術管理、アプリケーション管理のいずれかの業務におおよそ3年以上携わっている技術者を対象にしていることを意味しています。 ITILのファンデーション研修に参加するのがサービスオペレーションに関わる方が圧倒的に多いことを考えれば、 最もニーズの高い中級の教育コースかもしれません。
多少、試験対策的なことを申しますと、 ファンデーションでは、サービスオペレーションのプロセスがどのような目標を持ち、どんな活動をしなければならないかを学びますが、 インターミディエイトでは、そのプロセスをいかにコントロールするかを学びます。注意しなければならないのは、 プロセスをいかに実行するかだけではなく、プロセスの活動をいかにして事業の状況に整合させるかや、 プロセスのパフォーマンスをいかに測定し改善するかにも目を向ける必要があるということです。 これは、OSAの試験だけではなく、他のインターミディエイト・コースの試験にも言えることだと思います。
ITILはバージョン3になって5年が経ち、全サービス・ライフサイクルを通してサービスマネジメントが必要であるという主張が、 IT業界全体でも受け入れられつつありますが、 そのことを最も切実に感じているのはやはりサービスオペレーションに参加している人達ではないでしょうか。
その現場を知る人材が、ITサービスを利用している事業の成功や組織のマネジメントにも興味を持ち、 ITサービスやIT組織が持っている潜在的な可能性を事業に伝えていっていただきたいと思っています。
それでは、良いお年をお迎えください。次回は、2013/1/10の予定です。