(リリース、コントロールおよび妥当性の確認)
今回は、インターミディエイト・コースのケイパビリティ・モジュールから リリース、コントロールおよび妥当性の確認(RCV: Release, Control and Validation) についてお話ししたいと思います。
RCV は変更管理、サービス資産管理および構成管理、 リリース管理および展開管理、 ナレッジ管理など、 サービストランジションに掲載されているプロセスに携わっている実務担当者やマネージャを対象にデザインされたサービスマネジメントの中級コースです。
ITILファンデーションでは出題範囲外のために説明することのない移行の計画立案およびサポート、 サービスの妥当性確認およびテスト、変更の評価も含まれています。 また、サービスオペレーションの要求実現も標準的な変更に関係するプロセスとしてカバーされています。
RCVのRはリリースです。事業はプロバイダに対してニーズに応じた新たな機能や改善を要求します。 プロバイダはその要求を満たす新たなサービスの導入や変更を実施するために、 サービスの構成要素であるハードウェアやソフトウェアを運用環境へ次々とリリースします。
RCVのCはコントロールです。リリースされる構成要素は、 コントロールされていなければなりません。つまり、プロバイダの管理台帳に記載された構成要素だけが、 目録通りの構成で運用環境に存在する必要があります。
RCVのVは妥当性確認です。プロバイダの意図する機能が提供されなかったり、 逆に、サービスが意図しない動きをしたりすることは許されません。リリース後のサービスに対する 妥当性を確認することは当然でしょう。
我々を取り巻く事業環境は常に変化しています。技術もまた、日々進化しています。 組織はもはや一定の場所に留まることが許されません。 提供するITサービスもそのサービスを支えるIT組織も、 秩序と安定をを保ちつつも、事業ニーズの変化に応じて速やかに変化していかなければならないのです。
RCVは、そのような環境に置かれている現在のサービスプロバイダにとって、 必要不可欠な能力になっています。
次回は、2012/12/25の予定です。