(プランニング、プロテクションおよび最適化)
今回は、インターミディエイト・コースのケイパビリティ・モジュールから プランニング、プロテクションおよび最適化(PPO : Planning, Protection and Optimizing) についてお話ししたいと思います。
PPO は可用性管理、キャパシティ管理、ITサービス継続性管理、 情報セキュリティ管理、および需要管理に携わっている実務担当者やマネージャ、 そして、それぞれの技術領域の専門家を対象にデザインされたサービスマネジメントの中級コースです。
サービスを設計したり、改善したりしなければならない状況の中で、可用性、 キャパシティ、継続性、情報セキュリティといったサービスの保証にあたる顧客の事業要件に、 サービスプロバイダがどのように対処すべきなのかを理解し、 適切な判断ができる能力を育成することを目的に提供されています。
それぞれの技術領域における専門的な知識も大切ですが、顧客がおかれている現在の状況全体を俯瞰し、 サービスプロバイダとしてどのようなステップを踏んでその課題を解決すべきかを示すことができる能力が求められます。 つまり、現場で必要とされる高度な専門知識というよりも、チームのリーダとしてスタッフにどのような指示を出すべきなのか、 あるいは、コンサルタントとしてどのような解決案を提示すべきなのかを学びます。
顧客と接する機会の多いシステム・エンジニアが日常的に取り組んでいる課題であり、 実務を5年ほど経験したエンジニアであれば通常、兼ね備えている能力だと思います。 ただ、どちらかというとこれまでの経験を踏まえて無意識のうちにそれらの判断や行動を取っていることが多く、 属人化した能力となっています。 また、時として解決策に用いられる技術に注目するあまり、 知らず知らずのうちに顧客の真のニーズを軽視してしまうこともあります。 PPO のコースは、顧客のニーズを ITに反映させるための原則を改めて思い起こさせてくれるものです。
「過去の経験から導き出される最善のソリューションを、 ITILのフレームワークと照らし合わせて論理的に説明できる」、 そして、専門領域だけに目を向けがちな技術畑のリーダ達が 「顧客のニーズをITサービスに正しく反映させることができる」、 そんな能力をITILの中級資格は求めています。
次回は、2012/12/10の予定です。