(サービスの提案と合意)
前話では、インターミディエイト・コース全体の話をしましたが、 これからはインターミディエイトのケイパビリティ・モジュールをより詳しく紹介したいと思います。 ケイパビリティ・モジュールは次の4つのサービスマネジメント領域で構成されています。
・サービスの提案と合意
(SOA : Service Offering and Agreement)
・ プランニング、プロテクションおよび最適化
(PPO : Planning, Protection and Optimizing)
・リリース、コントロール、および妥当性の確認
(RCV : Release, Control and Verification)
・運用サポートと分析
(OSA : Operation, Support and Analyze)
これらは、サービスマネジメントを組織の能力という観点から4つに分割したものです。 組織はこれらの能力を向上させることで、事業により大きな価値を提供できるようになります。 ケイパビリティ・モジュールは、 組織がサービスマネジメントの各能力を向上させるのに必要な人材を育成するために用意されました。
今回のテーマであるSOA(サービスの提案と合意)は、 プロバイダが保有する限りある経営資源(サービス資産)からより多くの事業価値を創造するための意思決定能力や、 顧客とのサービスレベル合意によってサービスマネジメントの枠組みを確立する能力にフォーカスをあてています。
コア書籍であれば、サービスストラテジのサービス・ポートフォリオ管理、財務管理、需要管理や サービスデザインのサービスレベル管理、サービス・カタログ管理、 サプライヤ管理といったプロセス群によってカバーされている領域です。
一般的な表現をすれば、市場調査を行ってサービスのラインナップを決定し、 サプライヤとの調整を図りながらサービス供給の枠組みを確立するステージのベストプラクティスを理解し、 自身の組織に応用できる人材の育成を目的としています。
IT業界のほとんどの人は、ITILを知らないか、知っていても運用部門に属する技術者の専門的知識という理解がなされていますが、 SOAに関して言えば、サービス・プロバイダの企画部門や営業部門の実務担当者、あるいは、 情報システム部門の管理職にこそ習得して欲しい知識だと思います。
次回は、2012/11/25の予定です。