サービスには、基本品質要素と魅力品質要素が含まれています。 基本品質要素とは、顧客にとっては提供されることが当然と認識されていたり、 ホテルにおける空調設備のように認識していなくても、 その要素がなければ顧客の求める有用性や保証を供給できない要素です。 基本品質要素が欠けると顧客は不満を抱くことになります。
基本品質要素を提供するサービスには、 コアサービスと実現サービスがあり、 顧客が求める基本的な成果を提供するサービスがコアサービス、 コアサービスを提供するために必須のサービスを実現サービスと呼んでいます。 上述の例では、ホテル本来のサービスがコアサービス、 空調設備のようにホテルとして不可欠なサービスが実現サービスになります。
魅力品質要素は、そのサービスに必須の要素ではないが、 提供されることで顧客の満足度がさらに高まる要素です。 ホテルにおける気遣いなどは、 形にはなっていなくてもそのことによって顧客満足度が向上します。 魅力品質要素を提供するサービスを強化サービスと呼んでいます。
ここで、空調設備は強化サービスではないかと感じる方もいるかもしれません。 ターゲット市場によって、基本品質要素と魅力品質要素の判断基準は異なりますし、 魅力品質要素が時間の経過とともに基本品質要素に変わって行くこともあります。
これらの要素をいかに組み合わせるかが、サービスを提供する側の戦略です。 自分たちのサービス資産(経営資源)である能力やリソースを、 どのように調整し、顧客が不満を抱くことなく、満足してもらうかに関する方針、 市場での位置づけ、実現計画、 行動パターンを定義して、組織に展開することがサービスストラテジの役目です。
次回は、2013/6/10の予定です。