『サービスストラテジ』でなされているガバナンスの説明も、ITIL V3 2011年版では、 かなり改善されています。
コーポレート・ガバナンス(企業統治)は、企業を運営する組織の仕組みです。 SOX法、日本ではJ-SOX法により、企業には公正で透明性のある運営が求められています。 同時にまた、企業は競争で勝ち残っていくために、 組織の戦略や方針が企業全体に正しく伝達され、 計画が意図通りに実行される仕組みがなければなりません。 コーポレート・ガバナンスが機能しているというのは、 組織運営が公正さと透明性を保ち、 効率的であること証明することができる状態を意味しています。
事業を支えるITの運営にもガバナンスは必要です。 サービス・ライフサイクルをベースにしたサービスマネジメントを実現すれば、 ITの運営が可視化されるうえ、有効性や効率性を改善していくことができる、 つまり、ITガバナンスを機能させることができるというのがITILの主張です。
一般に、ITガバナンスを確立するために利用されているフレームワークには、 COBITやISOのマネジメントシステムがあります。 特に、ISO/IEC 20000は、 ITILをベースにしたITサービスマネジメントのマネジメントシステムであり、 ITの運営に経営陣を関与させる大義名分として利用することができます。
逆に経営陣の立場で考えると、 ITガバナンスを確立するための手段としてISO/IEC 20000を利用することができます。
次回は、2013/4/25の予定です。