CSI 管理表 (CSI Register) もITIL V3 2011年版で新たに出てきたITIL用語です。 ただ、概念自体は真新しいものでも、IT固有のものでもありません。 どんな組織においても自然に作成される、改善すべき事項の内容と現在のステータスを管理する台帳です。
ITILが伝えるベストプラクティスは、この改善機会を
「小規模、中規模、大規模に、そして、迅速、中期的、長期的に分類すること」
です。 さらに、利点などの情報を付け加えることで、明確な優先付けがなされた改善機会リストを作成することができます。 ITILはさらに、
「この情報はサービス・ナレッジ管理システムで共有し、 組織的に維持管理すべきであること」と、
「各改善提案には、重要業績評価指標(KPI)を設定し、利点の定量化を試みること」
を提唱しています。 改善機会を組織的に管理するこのような活動は、当然のように実施している組織もあれば、 わかっていてもなかなか実践できない組織もあるように思います。
このような習慣を組織の文化として根付かせることは、 短期的には目立たない地道で小さな改善でも、 長期的には組織に多大な貢献する大きな改革なのかも知れません。
次回は、2013/3/25の予定です。
(注)本トピックは、1年以上前の第135話と同じテーマを扱っています。 当時は英語版の記述をそのまま翻訳した感じの内容でしたので、 日本版が完成したこの機会に改めて取り上げさせていただきました。