重要業績評価指標 (KPI: Key Performance Indicator)は、 組織やプロセスが重要成功要因(CSF)をどの程度満たしているかを客観的に 評価するための指標です。
牛丼業界における重要成功要因が、「早い」、「安い」、「うまい」 であるならば、市場のプレイヤーは自分達のサービスが、この3つの基準を クリアしているかどうかを常に確認する必要があります。「早い」、「安い」、「うまい」 の指標として、「注文から配膳までの時間」、「主力メニューにおける競合との価格差」、 「顧客からのフィードバック」などの情報を収集することで、プレイヤーは 事業目標達成の条件を満たしているか否かを判断することができます。
ITILには、それぞれのプロセスのKPIに関する助言も掲載されています。読者はKPIの設定においても、 他のプロバイダが過去の経験から導き出したグッドプラクティスを利用することができます。ちなみに、 「継続的サービス改善」には、CSFとKPIの数に関して、次のような指摘がなされています。
CSIプログラムの初期段階では、CSFそれぞれにつき2つから3つのみのKPIを定義し、モニタし、 報告するのが良いだろう。サービスとサービスマネジメント・プロセスの成熟度が増すにつれて、 他のKPIを追加することができる。(継続的サービス改善 P62)
つまり、プロセスが成熟していれば、多くのKPIを使用して組織の意志をきめ細かく 反映させることもできますが、継続的改善の文化がまだ十分に定着していない組織では、 活動の手を広げるよりもまずは焦点を絞って目に見える成果を出すことを優先すべきである ということでしょう。
次回は、2010/09/10 の予定です。