コンピュータを利用すること自体が、ビジネス・プロセスの自動化ですが、 その周辺には自動化をすることができる数多くの領域が残されています。 切符の自動販売に始まった改札に関連する業務では、やがて自動改札機が出現し、 今ではSUICAを始めとする電子マネーによって料金回収の業務まで自動化 されました。
プロセスの自動化は、複雑性と不確実性を軽減し、品質の改善、 コストの削減、リスクの低減に貢献します。サービスマネジメント・プロセスの 自動化も例外ではありません。ITILによって注目されるようになった サービスマネジメントに対する自動化の技術はここ数年で目覚ましい発展を 遂げました。
インシデントやサービス要求の管理を主な機能としていたサービスデスク向けの ツールも、変更や構成を管理する機能が強化され、サービスオペレーション を統合的に管理するツールに成長してきています。
サービスマネジメント・プロセスの自動化は、サービスの品質や業務の生産性を向上させるだけでなく、 運用業務の透明性を高めることにも貢献します。 それは、サービスマネジメントの 活動が電子的な記録として保管されるからです。 インシデントの情報が電子化されていれば、インシデントの種類や発生頻度、 さらには対処するために費やされたリソースや時間を集計し、分析することが可能になります。 ツールの中には、管理データに対する基本的な分析機能を備えたものもあるでしょう。 あとは、組織に蓄積されたデータをプロバイダが いかに有効に活用するかです。
発生したインシデントを迅速に収束させることだけがインシデント管理の業務ではありません。 過去に発生したインシデントを分析することで、現在のインシデント処理の仕組みを 改善することもまたインシデント管理の仕事です。 ここ数年で蓄積されたインシデントのデータは有効に 活用されているでしょうか?
保有しているだけでは、データは意味を持ちません。 今、日常的に利用しているツールが抱えているデータを、 改めて見直してみてはいかがでしょうか?
次回は、2010/09/25 の予定です。