ITIL V3のコア書籍には、「技術に関する考慮事項」(サービスストラテジだけは「技術と戦略」)という章があり、 必ず各ライフサイクルの視点から情報技術(IT)を用いたサービスマネジメントの自動化に関して言及しています。 「継続的サービス改善」には、継続的サービス改善を支援するツールとして、以下のようなツールの存在を 紹介しています。
①ITサービスマネージメント・スイート
プロセスとプロセスに関連するレコードを統合させ、必要となるデータを供給します。 インシデント、問題、変更、リリースの各レコードをサービスや構成の情報と 関連付けて管理します。
②システム管理とネットワーク管理
プラットフォーム特有でイベント管理に対してエラー・メッセージを生成します。
③イベント管理
各プラットフォームで生成されたイベントから必要な情報を抽出、分析、関連付け、報告を行います。
④インシデント解決/問題解決の自動化
プロアクティブな検出モニタのデータから、自動的に診断や修理手順が実施されます。
⑤ナレッジ管理
実証された解決手段など過去の事例への効率的で正確なアクセス手段を提供し迅速な解決を支援します。
⑥サービス要求と履行(サービス・カタログとワークフロー)
サービス・カタログの定義や、サービス要求の履行に関するワークフローに対処します。
⑦パフォーマンス管理
各プラットフォームから可用性、キャパシティ、パフォーマンスのデータを収集します。
⑧アプリケーションとサービスのパフォーマンス監視
エンドツーエンドにおけるサービスのパフォーマンスを監視します。
⑨統計分析ツール
システム管理から提供されるデータを単一リポジトリに配置し、可用性分析、需要管理、作業負荷分析、 アプリケーション・サイジングなど可用性やキャパシティのプロセスを支援します。
⑩ソフトウェア・バージョン・コントロール/ソフトウェア構成管理
あらゆるソフトウェアのコントロールを支援し、開発環境に対して確定版メディア・ライブラリ型の リポジトリを提供します。
⑪ソフトウェア・テスト管理
テストと展開の活動を支援し、リリースの各フェーズに応じた様々なテスト環境を提供します。
⑫セキュリティ管理
ネットワーク、システム、アプリケーションの完全性を保護し、侵入や不正アクセスを防止します。
⑬プロジェクト管理とポートフォリオ管理
意思決定支援、原価計算、リソースとポートフォリオの可視性、プロジェクト管理を支援します。
⑭財務管理
各プラットフォームの未加工データをサービスのユーザに関連付け、原価計算情報とリンクさせ、 財務に関する分析、報告、コスト割り当てを行います。
⑮ビジネス・インテリジェンス/報告自己支援
すべてのサービスと事業に関連するデータから事業顧客を支援し、IT全体の活動の方向づけを支援します。
今後、このように分類されているツールが実際にどのような機能を提供してくれるのかについて、 ツール・ベンダー各社のカタログやインターネットの情報を基に整理してみたいと思います。
次回は、2010/10/10 の予定です。