ソフトウェア構成管理は、調達したソフトウェアを適切に保管して、 必要に応じて過去の構成であっても正確に再現する責任が あります。そのため、ソフトウェアの構成管理ツールには 他のサービス資産管理を支援するツールとは 異なる次のような機能が求められます。
【バージョン管理機能】
プロバイダの管理下にあるすべてのソフトウェアのバージョンを管理し、 必要な時に該当するソフトウェアのメディアやライセンスを供給する
【環境管理機能】
サービスを構築するための環境、およびサービスを実行する環境に関するあらゆる要件を記録し、 構築環境や実行環境を再現できるようにする
【構築・リリース管理機能】
構築しリリースするための手順やツールを管理することで、繰り返し同等のサービスが構築され、 リリースされるようにする
つまり、ITILの確定版メディア・ライブラリを実践するための機能が、 ソフトウェアの構成管理ツールには求められるようになりました。これらの機能を 提供するツールは、従来、ソフトウェア開発の領域から生み出されてきました。
しかし、サービスマネジメントの重要性が認識されるに従って、 運用部門にとって使い勝手の良いツールが求められるようになり、 ITサービスマネジメント・ツールや 運用管理ツールの一機能として、ソフトウェア構成管理ツールに求められてきた 機能が組み込まれつつあります。
最近では、開発部門と運用部門におけるソフトウェアの変更管理・構成管理を 一体化して運用することを支援するツールを提供しているベンダーもあるようです。
次回は、2011/2/10 の予定です。