サービスを管理するために必要なナレッジを管理する仕組みは無数にあります。 汎用のナレッジ管理システムやグループウェアもサービスナレッジを管理する 情報技術の一つです。もちろん用途によっては非常に有用ですが、多くの場合、 サービスマネジメントの活動を直接支援するツールに組み 込まれているナレッジ管理機能の方が関連情報を引き出しやすいので、使い勝手の面で 優れています。
サービスオペレーションにおいて重要な役割を果たすサービスデスクやIT運用管理を 支援するツールにも、その多くはサービスナレッジを管理する機能がついています。 一般にITSM系のツールには、インシデント、問題、変更、リリースなどの情報が蓄積され、 構成情報と関連付けられています。プロバイダは インシデントや問題のデータをキーワードやサービスと関連付けることで、 より高い確率で有用な情報を見つけ、解決を早めることができます。 特に既知のエラーの情報は、解決のプロセスになくてはならないサービスナレッジです。
一方、運用管理系のツールには、ディスカバリツールなどで検出された構成情報や、 各インフラストラクチャのパフォーマンスやリソースの使用率と いったシステムの稼働状況に関する情報が蓄積されています。
ディスカバリ・ツールは、物理サーバ、仮想マシン、ネットワーク機器、 ストレージ機器といったITリソースを検出する機能を提供し、その多くは最新の構成情報を 視覚的に表示する機能を持っています。また、各種監視ツールはITリソースの稼働状況や 発生イベント、そしてITリソースの使用量などの情報を提供してくれます。
長期間の監視で得られた稼働情報やパフォーマンスの分析結果なども サービスを管理する上で重要なナレッジとなります。インフラストラクチャの 稼働情報は今後ボトルネックになりそうな 箇所を特定するなど、サービスデザインに貴重な情報を提供してくれます。
次回は、2010/12/25 の予定です。