ITIL 徒然草

サービス要求管理ツール


第108話 ITサービスマネジメント・スイートでも 触れていますが、サービスデスクを支援するツールの中には、サービス要求処理の自動化を図る 機能が用意されているツールも出てきています。アカウント作成や消耗品の交換など、 サービス要求の多くは手順を定義できる 定型的な業務です。柔軟に対応することが要求されることが多いインシデントの処理に対して、 サービス要求処理の自動化は実現しやすく、得られるメリットも大きいと考えられています。

最初に言えることは、サービス要求処理の自動化は エンドユーザとサービスデスク、双方の負担を軽減するということです。 プロバイダが標準サービスを受け付けるためのメニューとそのサービスに関する情報を 提供すれば、エンドユーザは曜日や時間帯を意識することなしにいつでも必要とするサービスを 要求することができます。プロバイダにとっても、ツールがサービス要求を受け付けるので スタッフの負担を軽減することができます。

ユーザとのコミュニケーションだけではなく、 サービス要求のチケット作成や担当者へのチケットの受け渡しなど、 サービス要求処理に求められる多くの単純作業を、自動化によって 取り除くことができます。

さらに、 受けつけたサービス要求の現在のステータスを追跡する機能によって、 サービス要求を効率よく管理することができ、結果として質の高いサービス要求実現プロセス を実行することができます。

また、サービス要求への対応を定型的な業務に落とし込むことで、プロバイダは提供する 標準サービスの提供に必要な日数やコストを明確に示すことができます。 エンドユーザが自分が求めているサービスにかかる日数やコストを その場で知ることができれば、意思決定を早めることができますし、サービス利用にかかる コストを意識するようになります。

次回は、2011/1/25 の予定です。

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