ITSMスィートのサービスレベル管理機能も、ここ数年でかなり強化されました。 代表的な機能は、インシデント、問題、変更、リリースのレコードに、 サービスの目標値を関係付けることによって、SLA違反が起こる前に関係者に 通知する機能です。
優先度に応じた目標解決時間とインシデント・レコードを 関係付ければ、目標解決時間とインシデントの現在のステータスとの関係から、 関係者に適切なメッセージを配信することができます。また、計画して承認された サービス停止時間とリリースのステータスから、 サービス停止時間が予定の時間より延長される可能性があることを 関係者に伝えることができます。
これらの機能は、SLA違反を未然に防ぐという意味で 有用です。ただ通常は、SLAやプロバイダのプロセスに合わせて ツールをカスタマイズする必要があります。
ITSMスィートが提供するサービスレベル管理機能には、 サービスのパフォーマンスを監視する機能や分析して報告する機能も あります。サービスの改善活動を継続して行っていく組織にとって、監視や報告の自動化は 重要な要素です。
監視や報告の対象は多岐にわたり、ITインフラのパフォーマンス監視ツールと 連携してITインフラのレスポンス・タイム を監視したり、サービス停止に関するインシデントのデータを収集することで ビジネスへのインパクトを算出したりすることができる製品もあります。
また多くの製品は顧客単位でサービスの合意内容を表示し、稼働率や応答時間など、 サービスの目標値に対する達成率を一目で把握できるような機能を提供しています。 ツールが生成する表やグラフを利用すれば、サービス・パフォーマンスの実態を視覚を通じて 直接伝えることができます。
次回は、2010/11/25 の予定です。