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成功のためのプロジェクトの指揮


これまで、AXELOSが出版する「Managing Successful Projects with PRINCE2 (成功のためのプロジェクト・マネジメント手法 PRINCE2)」という書籍を題材に、 PRINCE2の様々な側面をお話ししてきました。 最近、PRINCE2に関する別の書籍があることを知りました。それは、同じAXLOSが出版する 「Directing Successful Projects with PRINCE2」という書籍です。 日本語にあえて訳すならば、「PRINCE2で成功のためのプロジェクト指揮の方法」 とでもなるでしょうか。

前者が、プロジェクト・マネージャに対して、 PRINCE2を用いたプロジェクトの管理手法を説明しているのに対し、 後者は、プロジェクト・マネージャの上位にあたるプロジェクト委員会に対して、 プロジェクトを指揮する方法を説明しています。

プロジェクト委員会は、事業ユーザサプライヤの代表で構成され、 プロジェクトの重要事項に対する決定権と最終的な説明責任を持つ会議体です。

また、この本のタイトルにもなっているプロジェクトの指揮という表現は、 一般的な意味ではなく、 PRINCE2におけるプロジェクトの指揮を指しています。 つまり、 PRINCE2のプロジェクトの始動および指揮プロセスの活動を実施するにあたって、 プロジェクト委員会がどのようにふるまうべきかの手引きが示されています。 以下が、この書籍の目次です。

目次
1. Introduction
 (はじめに)
2. Overview of PRINCE2
 (PRINCE2の概要)
3. Project Board duties a behaviours
 (プロジェクト委員会の義務とふるまい)
4. Start up a Project
 (プロジェクトの始動)
5. Authorize initiation
 (立上げの認可)
6. Authorize the project
 (プロジェクトの承認)
7. Authorize a Stage or Exception Plan
 (段階または例外計画書の認可)
8. Give ad hoc direction
 (アドホックな指揮)
9. Authorize project closure
 (プロジェクトのクローズの承認)
10. Reviewing benefits
 (ベネフィットのレビュー)
11. Tailoring PRINCE2
 (PRINCE2のテーラリング)

付録を除くと103ページの薄めの本ですが、 プロジェクトを監督する立場の方々には、参考になる一冊かもしれません。 残念ながら、現時点で日本語版はありません。

次回は、2016/3/10の予定です。

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