信頼性は、どのくらい信頼できるかを表す指標です。 誰もが何気なく使っている信頼という言葉も、 サービスレベルを表現するために用いる場合には、 客観的に測定できる指標であることが求められます。 ITIL では、次のように説明されています。
サービス、コンポーネント、あるいは CI が中断なしに、どれだけ長く 合意された機能を実行できるかを示す指標(サービスデザイン P100)
ITの世界では、サービスやコンポーネントを使い始めてから 次の故障でサービスが利用できなくなるまでの平均時間を、 平均故障間隔 (MTBF:Mean Time Between Failure)と呼び、 信頼性を表す代表的な指標として利用してきました。
もっと分かりやすい信頼性の指標は、一定の期間における 失敗の回数です。例えば、一年間で発生した 計画外のサービス停止回数などは、実感が伴う信頼性の指標 と言えるでしょう。
サービスの信頼性を高めるためには、コンポーネントの信頼性を高める必要があります。 信頼性を高めるために検討すべき効果的なテクニックは、コンポーネントの冗長化です。
コンポーネントに冗長性を持たせることで、そのコンポーネントに期待されている機能を中断することなく 提供し続けることができるようになります。ディスクをミラーリングすることは ディスクの信頼性を向上させ、ネットワークのルートを複数確保する ことはネットワークの信頼性を向上させます。
このようなコンポーネンが障害にも関わらず適切に機能し続ける能力を、ITIL では 対障害弾力性と呼んでいます。 サービスの信頼性の拠り所はコンポーネントの信頼性であり、 対障害弾力性を高めることが、サービスの信頼性を高めることに繋がります。
ここで、混乱しがちなのは、可用性と信頼性の関係です。可用性と 信頼性にはどのような関係があるのでしょうか。この2つ関係については 、次回説明したいと思います。
次回は、2009/10/25 の予定です。