ITIL 徒然草

サービス性


今回のテーマであるサービス性は、Serviceability という単語を 訳したものです。Serviceability にはサービス性以外の訳もあり、 保守性などと訳されることもあります。

しかし、ITIL には保守性と訳されるMaintainabilityという用語があります。 これは、保守性を英語に訳す場合、Maintainabilityでも Serviceabilityでも、どちらでも構わないことを意味しています。

実際、WikipediaServiceability の意味を調べてみると、そこに 記されているServiceabilityの説明は、ITIL が定義する保守性(Maintainability) の説明 そのものでした。

では、ITIL における Serviceability とは、一体どのような概念なのでしょうか。 「サービスデザイン」には、サービス性が次のように説明されています。

サードパーティ・サプライヤがその契約条件を満たす能力。この契約には、支援的なサービスまたは コンポーネントに関する可用性、信頼性、保守性の合意レベルが記載される(サービスデザイン P101)

つまり、サプライヤが供給するサービスやコンポーネントの可用性サービス性と呼んでいます。 サービス・プロバイダは、契約によってこのサービス性を管理します。

例えば、第3者が提供する通信インフラストラクチャを基盤として サービスを提供する場合、この通信インフラストラクチャの 可用性がサービス性であり、サービス・プロバイダは外部委託契約によって そのレベルをコントロールします。

次回は、2009/11/25 の予定です。

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