サービス・パッケージは、サービス需要から導かれるサービスのセットのことです。 ITIL ではよく「パッケージ」という言葉が使われますが、これは「セット」、日本的な 表現にすると「一式」という意味になります。
海外旅行が珍しかった時代、某航空会社が「JALパック」という サービスを販売して、日本に最初の海外旅行ブームを巻き起こしましたが、 これこそサービス・パッケージのお手本と言えるでしょう。
消費者はかならずしも何が必要で、何が必要でないかを知っているとは限りません。 必要と思われるサービスだけを組み合わせて販売することができれば、 規模の経済性を生かしてサービス供給コストを削減し、 結果的にサービス価格を下げることができます。
サービス・パッケージには、サービスの核となる基本的なサービスがあります。 ITILでは、この基本的なサービスのことをコアサービスと呼んでいます。 旅行であれば、往復の交通チケットや宿泊の手配などがこれにあたります。
通常、利用者は出発時や現地到着時のサポートを必要とします。また、 緊急事態が発生したときに、旅行会社が支援してくれるものと考えています。 このようなサービスを利用者が当然のものと考えている場合、そのサービスは 実現サービスと呼ばれます。
また、観光スポットの割引チケットなどが提供される場合、利用者が当然とは 感じていない追加のサービスであれば強化サービスと呼ばれます。 実現サービスと強化サービスは、コアサービスに差別化を もたらす支援サービスと呼ばれています。
サービス・パッケージ=コアサービス+支援サービス
=コアサービス+(実現サービス+強化サービス)
実際には、それぞれのサービスのサービスレベルが組み込まれて、 サービス・パッケージは完成します。