サービス・モデルは、ターゲット市場におけるプロバイダのサービス戦略を具体化したものです。 顧客資産とサービス資産がどのようなやり取りによって 事業に価値を提供するかを説明します。
ビジネス・モデルという言葉が既に日本語として定着していますが、サービス・モデルは サービス事業におけるビジネス・モデルです。ITサービスの領域に限れば、『どんなITサービスを どこの市場に対してどのように提供するか』を説明します。
サービス・モデルが異なれば、必要となるサービス資産も異なります。 例えば、システム運用を代行するサービスでも、顧客のサイトで行うか、 プロバイダのデータセンタで行うかでは、必要となるリソースや能力も違ってきます。 また、サービスマネジメントのプロセスや機能に求められる 役割も違ってきます。
サービス・モデルが作成されるのはサービス戦略の段階です。 プロバイダは、他の競合より優れたパフォーマンスを提供するためにターゲット市場を絞り込み 顧客資産とサービス資産をどのように組み合わせて、顧客に価値を提供するかを 決定します。これがサービス・モデルであり、サービス戦略の重要な出力になります。
サービス・モデルの詳細はサービス設計によって定義され、サービス移行によって 検証されます。サービス運用において、サービス・モデルはサービス資産とその動きになり、 顧客資産とのやり取りの結果として事業にサービスの価値を提供します。