サービスの品質を語る上で欠かすことができないものの1つにサービスの可用性があります。 サービスは利用して初めてその価値を得ることができます。ですから、サービスが使えないというのは サービスへの不満に直結します。
「電車が時間通りに来ない」、 「自動販売機が壊れて使えない」、 「事故で高速道路が使えない」など、 いずれも可用性の問題であり、ユーザを落胆させる出来事です。 顧客満足度を高めるためには、可用性に対する事業のニーズに応えて いかなければなりません。
サービスの可用性は、サービスが期待されている価値を顧客に 提供できる確率です。通常、サービスを提供する と約束した時間の量に対する、ユーザが実際にサービスを利用できた時間の 割合で表わします。
サービスの可用性 =
(実際のサービス供給時間)÷(合意したサービス供給時間)×100
約束した時間帯に滞ることなくサービスが利用できれば、可用性は100%です。 合意したサービス供給時間が100時間のサービスが、1時間のサービス停止を 起こした場合、実際にサービスが利用できた時間は99時間であり、 可用性は99%ということになります。
顧客はサービスを購入した以上、使いたいときに使えること、すなわち、、 100%の可用性を望むこともありますが、 サービスの可用性で100%を達成することは並大抵のことではありません。 結果的に100%の可用性を達成することはあっても、初めから 100%の可用性で合意することは現実の世界ではめったにありません。
人がサービスに関わっている以上、オペレーション・ミスのような事故が ありえますし、ハードウェアの故障やそのメンテナンスのためにサービスを 停止しなければならないこともあります。もちろん、それらの課題に 対処する仕組みがないわけではありませんが、完全を目指せば 目指すほど、そのためにかかるコストは雪だるま式に増えていきます。
結局のところ、事業側が可用性のレベルとコストの関係を理解することで、 妥当な可用性の目標値を設定することができます。
次回は、2009/9/25 の予定です。