ITIL 徒然草

ITIL V3 で表現が変わった概念


ITIL V3 では前バージョンで取り上げられなかった概念が数多くあるため、 その概念を表す新たな用語を各所に見出すことができますが、中には ITIL V2 で 別の表現がなされていた概念もあります。

今回は、ITIL V2 と V3 で表現が異なる概念を取り上げてみます。

プロセス名

V2 で識別されていたプロセス中には、名前の変更がなされたものがあります。

V2の表現V3の表現英語の表現
構成管理サービス資産管理および構成管理Service Asset and Configuration Mgmt.
リリース管理リリース管理および展開管理Release and Deployment Mgmt.
セキュリティ管理情報セキュリティ管理Information Security Mgmt.

英語表現の変更

「平均修理時間」には「修理時間の平均時間」と「ダウンタイムの平均時間」という2つの解釈が存在するため、 「ダウンタイムの平均時間」を表現する場合、「平均サービス回復時間」という表現が用いられるようになりました。

V2の表現V3の表現
可用性管理データベース(AMDB)
Availability Management Data Base
可用性管理情報システム(AMIS)
Availability Management Information System
キャパシティ管理データベース(CDB)
Capacity Management Data Base
キャパシティ管理情報システム(CMIS)
Capacity Management Information System
平均修理時間(MTTR)
Mean Time To Repair
平均サービス回復時間(MTRS)
Mean Time to Restore Service
リソース・キャパシティ管理(RCM)
Resource Capacity Management
コンポーネント・キャパシティ管理(CCM)
Component Capacity Management
変更諮問委員会/緊急会議(CAB/EC)
Change Advisory Board/Emergency Committee
緊急変更諮問委員会(ECAB)
Emergency Change Advisory Board
将来的な変更スケジュール(FSC)
Forward Schedule of Change
変更スケジュール(CS)
Change Schedule
確定版ソフトウェアの保管庫(DSL)
Definitive Software Library
確定版メディア・ライブラリ(DML)
Definitive Media Library


翻訳表現の変更

いくつかの基本概念に関して、翻訳表現の変更がなされています。

V2の翻訳表現V3の翻訳表現英語の表現
計画 - 実行 - チェック - 対策計画 - 実施 - 点検 - 処置Plan-Do-Check-Act(PDCA)
請負契約外部委託契約Underpinning Contract(UC)
導入後のレビュー実施後のレビューPost Implementation Review(PIR)

次回は、2009/5/10 の予定です。

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