サービスの利用者にとって、サービスがタイミングよく使えること、そして 想定時間内に結果が得られることは重要です。プロバイダが日々変化するサービス需要に 適切に対処するためには、サービス供給のあらゆる面に注意を払わなければなりません。
特に、システムの処理能力が不足しているために応答にかかる時間が 許容範囲を超えているとか、ディスク容量の不足に気づくのが遅れて システムをダウンさせてしまったなど、サービスを供給するために使用される コンポーネントの量や能力の不足による顧客満足度の低下は、 サービス・プロバイダに対する信頼が失われ、挽回することができないほど 大きなダメージとなることもあります。
だからといって、サービス供給に使用されるコンポーネントを 贅沢に調達することはできません。サービスの需要予測が 現実とかけ離れてしまった場合、過剰投資のつけは サービス供給コストの増大という形ではね返ってきます。
一般に、サービス供給に使用されるコンポーネントの能力や量のことを キャパシティと呼びますが、このキャパシティをサービスの需要予測や サービス・コンポーネントの使用状況に基づいて 調整する一連の活動がキャパシティ管理です。
キャパシティ管理が注目するのは、サービス需要の変化と サービス供給に必要なキャパシティのバランスです。この バランスが崩れるとサービス品質が低下したり、サービス供給コストの 増大により顧客満足度が下がります。
コスト面で正当化できるITキャパシティが、事業ニーズを 満たすためにタイムリーに供給されることを確実にする
これが、キャパシティ管理の最終目標です。 キャパシティ管理には、サービス需要をより正確に予測すること、そして、 キャパシティをより効率的に供給することが求められています。
次回は、2009/12/10 の予定です。