キャパシティ管理は、事業のニーズを満たすサービスを供給するために 必要なITキャパシティを予測して、適切なタイミングで用意します。必要なITキャパシティを 予測する際には、サービスの需要と供給に関わるあらゆる要因に焦点を当てなければなりません。
ITILでは、キャパシティを管理するために焦点を当てるべき領域により、 キャパシティ管理を3つのサブプロセスに分解して説明しています。 そのサブプロセスが、事業キャパシティ管理、サービス・キャパシティ管理、 コンポーネント・キャパシティ管理です。
事業キャパシティ管理は、将来の事業ニーズを満たすサービスレベル要件を理解し、 サービス設計に関わります。 サービス・キャパシティ管理は、サービスの品質に焦点を当てています。 コンポーネント・キャパシティ管理はITキャパシティの利用状況に注目します。
今回はこの3つのサブプロセスの中から次の達成目標を持つ、 事業キャパシティ管理について考えてみます。
顧客の事業要件を理解し、サービス供給に必要なITキャパシティの導入を計画し、 適切なタイミングで実装する
キャパシティを適切に管理するためには、サービス・ライフサイクルの早い段階から キャパシティ管理が関与すべきであると言われています。その早い段階に なされる活動がこの事業キャパシティ管理です。
サービスの要件定義から設計にかけて、事業キャパシティ管理は 以下のような活動を実施します。
・ サービスレベル要件の合意の支援
・ サービス構成の設計、調達、修正
・ SLAの検証
・ SLAの交渉の支援
サービス構成の設計、調達、修正では、通常、顧客の事業活動パターンや サービスレベル要件から必要なITリソースを予測するために、 代表的な事業活動パターンをモデル化したり、そのモデルを使って プロトタイピングや傾向分析を行います。
このような活動を通じて、アプリケーションに必要なITキャパシティを見積もることを アプリケーション・サインジングと呼んでいます。
次回は、2009/12/25 の予定です。