テクニカル・オブザベーション・ポスト(TOP) は、 ITIL V2 の「サービスデリバリ」では、 可用性管理の章に2ページを費やして説明されていましたが、 V3(2007年版)には記載が見当たらず、 2011年版になって問題管理の章に復活し、 10行に収まる程度の内容に凝縮され、説明されています。
TOPは、 サービス可用性に関する問題を解決するために、 組織の枠を超えて技術スタッフを編成し、 集中して原因を識別するという方法です。
今日のIT環境では、さまざまな技術が統合され、複雑に関係しあっています。 運用のスタッフは、現在起こっている事象は把握しても、 ITサービス全体を理解するのは容易ではなく、時間もかかります。 そのサービスの設計に携わった技術者や、そのサービスを構成する技術の専門家など、 関係する組織から技術者を集めてチームを作り、 必要であれば、共同で作業するための物理的環境を用意します。 チームのメンバーは、組織の枠組みを超えて連携し、 情報を共有したり、共同で運用の状況をリアルタイムにモニタしたりすることで、 効率的に問題の原因を識別し、課題を解決することができます。
TOP を成功させるためには、 ① その存在を組織全体に認知させ、組織的な利害関係とは切り離して、 技術領域における課題の解決に集中させ、 ② 活動から得られた提言を尊重し、その後の改善活動に反映させる必要があります。
次回は、2014/1/10の予定です。