移行の計画立案と支援もバージョン3で新たに追加されたプロセスです。このプロセスには、次の3つの達成目標が掲げられています。
通常、変更に関するコーディネートの活動は次の引用で読み取れるように、変更管理プロセスに分類されています。
「変更管理はスケジュール通りに変更が実行されることに責任があります。実際の実装は他の技術グループが行うので、主にコーディネートの役割を担っています。」(サービス移行 P57)
しかし、経営レベルで判断される重大な変更等では、実施するか否かの判断がなされた後に、リソースに関する計画をより具体化してプロジェクトをスタートさせる必要があります。規模の大きい変更が承認される度に実施される、リソースをコーディネートする活動をプロセスとして管理します。
また、サービス移行のポリシーを定義して導入したり、共通のフレームワークや標準を適用したりすることで、サービス移行プロセスの最適化も図ります。
これらの活動は一般的に、プロジェクトマネジメント・オフィス(PMO:Project Management Office)と呼ばれる個々のプロジェクトから独立した常設的な部署によって実施されます。PMOは、個別プロジェクトに責任を持ち、プロジェクト終了に伴って解散となる「プロジェクトチーム」とは異なり、組織全体に適用されるプロジェクトマネジメント手法の標準化や品質管理を行います。
プロジェクトが失敗する代表的な原因には、無理な変更計画や不十分なリソースの割当てがあります。無理な計画が実行されるリスクを取り除くのは変更管理の役割です。さらに、承認された変更に十分なリソースを割り当てることで、プロジェクトが本来のリリース活動に専念できるように支援するのが、この移行の計画立案と支援プロセスです。