ITIL のバージョン3では、サービスへの投資に対するポートフォリオの適用を 、サービスマネジメントに不可欠な活動として説明しています。これが、サービス・ ポートフォリオ管理です。
サービス・ポートフォリオ管理は、サービス・プロバイダのサービスに関する ポートフォリオを定義、分析、承認、制定する一連の 活動です。
定義は、既存のサービスと提案されたすべてのサービスに関する情報を収集し、 文書化します。サービスの目録を作成し、各サービスのポートフォリオに含まれる ビジネス・ケースを検証します。ビジネス・ケースはそれぞれのサービスに 何が期待できるかを理解するために役立ちます。
分析は、戦略的な枠組みを構築する活動です。需給の優先順位を付け、整合性や バランスをとり、ポートフォリオの価値の最大化を図ります。サービスの観点、ビジョン、 計画、パターンを決定します。
承認は、事業戦略との整合性、投資価値、リスク、コストなどの観点から それぞれの投資案件を比較をし、投資額やその優先順位、達成目標、スケジュールなどを 決定します。サービスの将来の状態に対する承認や不承認を慎重に決定する場であり、 承認されたサービスには、サービス供給とそれに必要なリソースに対する認可が 与えられます。
制定は、判断を組織に伝達し、リソースと役割を割り当てます。決定事項と 実施項目に関して、明快な表現で関係者に周知します。決定事項は財務計画と 関連付けられ、リソースの確保するために必要な予算も割り当てられます。 ちなみに、制定の原語はCharterで、「設立する」という意味があります。
サービス・ポートフォリオ管理の適用範囲はサービスのライフサイクル全体を カバーすべきであり、そのことが現在と将来のサービスに対してバランスの取れた 投資を保証します。