バージョン2には、キャパシティ管理の活動の一環として需要管理がありました。需要管理は、ビジネスから需要を満たすリソースを十分確保することができないとき、ユーザの行動に影響を与えることで、サービスの品質を確保することです。
例えば、サービスの利用料金を時間帯で変えることで、サービス利用の平準化を図ることも格差課金と呼ばれる需要管理の1つです。これは、電気や電話などのサービスでもよく使われる身近な活動です。
このように、戦術レベルでユーザの行動を変えるだけではなく、戦略レベルでビジネス活動を把握したり、ユーザの行動に影響を与えたりすることはサービス・プロバイダにとって非常に重要です。
事業におけるユーザの行動をビジネス活動パターン(PBA: Pattern of Business Activity)と呼びます。ITIL のバージョン3では、サービス戦略を決定する際に このPBA を十分把握することの重要性を指摘しています。つまり、
需要がなければどんなすぐれたサービスでも決して供給されることはないのです。
PBA を分析することで、次のような利益を期待することができます。