(Strategy management for IT Services)
サービスストラテジの第4章 サービス戦略プロセスは、 ITIL 2007に大きな修正が加えられた箇所の1つです。 他のコア書籍と同じ形式でプロセスの説明がなされています。
・ITサービス戦略管理
・サービス・ポートフォリオ管理
・ITサービス財務管理
・需要管理
・事業関係管理
事業関係管理は、今回新たに書き加えられたプロセスですし、 他のプロセスも目的や達成目標、 活動や業績評価指標などが明記されているという点では旧版とは全く別の物になっています。
ITサービス戦略管理は、 前作におけるサービスストラテジのプロセスの内容を整理したものですが、 かなり丁寧な説明になりました。 ITIL 2007におけるサービスストラテジのプロセスの説明は、 一つ一つのテーマが独立していて、 それぞれのトピックの関係性があいまいでした。 しかし、ITIL 2011では全体を包括的に説明しているので、 それぞれのトピックの関連性を把握することができ、 各テーマが1つの文脈でつながったという感じを受けました。 また、それぞれの概念を具体的な例で補足しながら説明しているので、 イメージが湧きやすく、わかりやすい説明になっています。
本日のテーマであるITサービス戦略管理は、 大きく分けると以下の4つの活動で構成されています。
・戦略的アセスメント
・ITサービス戦略の作成、評価、選択
・ITサービス戦略の実施
・ITサービス戦略に対する測定と評価
ITサービス戦略を作成し実施してみて、その結果を点検し改善を加えるという意味では、 ITサービス戦略もまたデミング・サイクルの中で管理するということでしょう。 顧客との関係が異なる内部サービス・プロバイダに関しては、 ITサービス戦略についての考え方に異なる部分があるので補足的な説明がなされています。
次回以降は、ITサービス戦略管理プロセスの活動について、 もう少し詳しく見ていきたいと思います。
次回は、2011/9/10の予定です。