問題管理は、インフラストラクチャに存在するエラーがビジネスに 与える悪影響の回数と深刻さを 低減させる役割を担うプロセスです。 そのために実行すべきことには、以下のような活動があります。
このプロセスを理解する上でキーとなるのは、インシデント管理プロセスとの関係です。 何故かと言えば、インシデント管理が求めるリソースと問題管理が必要とするリソースは 競合するからです。事実、一般的な組織においてインシデント管理の活動と 問題管理の活動は混在しています。
さらに、2つのプロセスには相互依存の関係があります。つまり、良いインシデント管理は 問題管理の負担を軽減できるし、問題管理が機能していればインシデントの発生を 抑制できるのです。
例えば、インシデント管理が質の高い恒久的なソリューションを提示できれば、 顧客やユーザは再び同じ問題で頭を悩ますことはありません。すなわち、問題管理が 改めてその問題を調査する必要はなく、事実を整理して記録すればよいのです。
一方、問題管理がより良いワークアラウンドを発見し示すことができれば、インシデント管理は 即座にそのソリューションをユーザに提供できますし、インシデントの発生や再発を予防 できれば、インシデント管理の負荷を減らすことができます。
問題管理の導入における課題は、インシデント管理と問題管理間の リソースの競合をいかに解消するかです。 問題管理の活動は、通常、相対的にスキルの高い専門家 グループに任されますが、何の配慮もなされなければ、専門家グループに多大な 負担を強いることになりかねません。 活動のために必要な資源を確保できるマネージメントに、問題管理の価値を理解してもらう必要があるのです。