リリース管理は、変更の投入の詳細を監督するが、それは、変更管理のコントロールおよび 権限下にある。(サービスサポート,P231)
変更管理は変更を承認するにあって、技術上、財務上、ビジネス上の利益とリスクを検討し、 組織として変更の判断を下します。 リリース管理は変更管理で組織が計画した予算、工数、日程で、リリースを構築、実装します。
対象となる活動が変更管理とリリース管理のどちらであるのかの判断は、
以下の問いかけが有効です。
上記質問に「はい」と答えられる場合、既に変更の承認はなされており、リリース管理が定義した 手順に従ってリリースがなされていると考えることができます。
変更管理の判断が必要になるのは、 予算、工数、日程など既に変更管理が決定した内容を変更する必要が生まれてきたときです。
開発や運用の現場においては、変更の判断は見えにくいものです。 多大な投資がなされるプロジェクト実行の是非は経営レベルで行われることが多く、 変更管理は組織の高いレベルで実施されています。
一方、機器を移動するとか、パッチを当てるなどの判断は、現場で実施されます。予算は年間の 維持運用費で確保され、工数はエンジニアが配備されている時点で既に承認されています。 ですから、現場の部門間で調整がつけば、これらの変更は実施されます。この調整が変更管理の プロセスです。
ただ、機器の移動でもパッチの適用でも、手順書がなければ秩序ある変更を行うことはできません。 安全なリリースを実現するために手順書やチェックリストを作成する責任はリリース管理 にあります。