ITIL 徒然草

達成目標


ITIL には、GoalObjectiveという言葉がよく出てくるという話を致しましたが、悲しいかな日本人である私にはこの言葉の違いを 明確に説明することはできません。ITILの日本語版では、Goal を 最終目標Objective を達成目標と訳しています。

ITIL の「サービスサポート」と「サービスデリバリ」において、この 2つの言葉が対比される形で示されることはほとんどなく、 「可用性管理」の章などわずか
数箇所からその違いを推測せざるを得ません。

可用性管理の最終目標(Goal)は次のように記述されています。
(サービスサポート P212)

事業が達成目標を満足できるよう、費用対効果が高く、かつ持続した
レベルの可用性の提供に向けてITインフラストラクチャ、サービス、
およびこれを サポートする組織の能力を最適化することである。


また、可用性管理の達成目標(Objective)は次のように記されています。
(6つの達成目標のうち3つを簡約:サービスサポート P212-P213)

  • 必要な可用性を提供するITサービスが設計されることを確実にする
  • 合意された可用性を継続的に監視し、IT可用性を報告する
  • IT可用性の不足を認識し、適切な是正措置を確実に行う


  • このようにして比較してみると、Goal というのはより抽象化された 理想の姿であり、Objectiveというのはその最終目標に近づくために 実際にやらなければならないことと受け取ることができます。

    最終目標がどのプロセスでも示されているのに対し、達成目標 という表現は
    意外に少なく、「可用性管理」以外では 「サービスデスク」や「キャパシティ管理」の章で見かけることができます。

    第25話 第27話