IT運用管理機能は、ビジネスが求めるサービスを確実に供給するために、稼動するITインフラストラクチャの運用と保守を行う機能です。稼動中のITインフラストラクチャを維持管理するために監視や手順化された作業を実行します。その代表な活動には以下のようなものがあります。
ITIL バージョン2では「ITインフラストラクチャ管理」に分類され、「サービスサポート」では運用スタッフの目の前にあるルーチンワークに言及することはありませんでした。バージョン3のライフサイクル・アプローチによって、「サービス運用」にまとめられ、そこには日常の運用業務や組織・役割などのテーマが数多く取り上げられています。
実際に運用に携わっている担当者にしてみれば、インシデント管理のようなサービスレベル違反の状態よりも、通常のオペレーションを行っている時間の方が圧倒的に多く、その内容に光が当てられたことは良いことだと思います。
プロジェクト・タイプの活動に対して、日々の活動は短期的で一時的なものに感じられますが、長期間繰り返し実行される活動であることに注目すべきです。もし、一貫性のある反復可能な活動として確立すれば、安定した運用が実現し、結果としてサービスマネジメントを成功に導きます。
IT運用管理はまた、ビジネスの状況に応じた安定性と柔軟性を兼ね備えていることが必要です。
安定性
IT運用管理は、サービス設計で定義され、サービス移行でテストされた活動を実行し、期待されているパフォーマンスを満たす責任を持っています。この意味で、IT運用の主な役割は現状を維持することです。IT運用にとって最大の関心事は、ITインフラストラクチャの安定性とITサービスの一貫性を保つことです。運用の改善といっても、まったく別のことをすることではなく、同じことをより簡潔に実行することを目的にしています。
柔軟性
IT運用はまた、ビジネスに価値を供給したり、バリューチェーンを支援します。 そのため、IT運用管理は業務要件や需要に絶えず適応する必要があります。ビジネスにとって、ITの運用が標準手順に沿っているとか、サーバーが最適に稼動していることは当然のことであり、あまり関心がありません。ビジネスの需要や要件が変わる時、現在の安定した状態に挑戦することが求められます。
IT運用管理には、ビジネスの要請に応じてサービスの安定性と柔軟性のバランスを図っていくことが求められています。