ITIL 徒然草

ITILのプロセス群


現在、体系的に出版されているITILの書籍群の中核に位置するのは、 「サービスサポート」、そして「サービスデリバリ」というタイトルの 2冊の本です。

この2冊の本にはそれぞれ5つ、合わせて10のプロセスが定義 されています。ITILは、これらのプロセスを最適化することに よって、組織は有効で効率的なサービスを提供できると 主張しています。それでは、どのようなプロセスが定義されている のでしょうか?

ITIL が定義しているプロセス群は、我々がITサービスを提供する際に 行っている活動を、整理して体系化したものです。

「サービスサポート」で定義されている5つのプロセスは、運用の プロセスと呼ばれ、システム運用において日常的に実行している 活動です。ユーザからの問合せに答えたり、障害が発生した場合には 原因を究明して復旧活動を行ないます。新規サービスをリリースする こともあるでしょう。「サービスサポート」ではこれらの活動を、 最終的なゴールに基づいて5つに分類してます。

「サービスデリバリ」の5つのプロセスは戦術的プロセスと呼ばれて います。顧客が求めているITサービスを計画し供給するために実行され ている、あるいは実行されるべき活動の集まりです。 「サービスデリバリ」で定義されている活動は、組織に幅広く存在して おり、プロセスとしてコントロールするには、組織の活動全体を 見渡してみる必要があります。

例えば、顧客の求めるITサービスの可用性を計画し供給する可用性 管理プロセスは、「サービスデリバリ」で定義されているプロセスの 一つです。

しかし、可用性に影響を与えるものは、サービスを供給する インフラストラクチャの設計から、運用手順やサポート体制まで 様々な要因が考えられます。ITサービスの可用性に影響を与える あらゆる活動に焦点をあて、組織として顧客の求める可用性を効率的 に提供する役割と責任が可用性管理には与えられているのです。

「サービスデリバリ」は、自らに課せられた役割と責任を 果たすための方法を計画し、その計画が実行され目的が達成される ように組織の活動を管理する戦術的なプロセスなのです。

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