ITIL 徒然草

サービスデスク


サービスデスクは、ITILにおいて特別な存在として説明されています。 他のすべての章はITILが定義するプロセスについて語られているのに対し、 サービスデスクは機能(function)であるということです。

機能とは働きです。それではサービスデスクに、どのような働きが求められているの でしょうか?サービスサポートでは次にように表現されています。

サービスデスクは顧客とサービスの接点であり、インシデント管理が提供する インシデント・コントロールに対する責任がある。

この表現で分かるように、サービスデスクには次の2つの役割が課せられています。

- 単一のサポート窓口を提供する
- インシデントをコントロールする

インシデント・コントロールについての言及は今後に譲り、今回は単一窓口に 焦点を絞って話をします。

サービスの利用者がその供給者に連絡をとる際、目的によって連絡先を 変えなければならない状態は、時として耐え難く感じることがあります。 特に、障害によってビジネスが深刻な影響を受けている時、たらい回しに されることほど腹立たしいことはありません。

そんな時、事態が収拾するまで責任を持って支援してくれる固定されたサポート窓口があれば、安心して障害への対応を任せることができます。これが、サービスデスク の求められている単一窓口の機能なのです。

この単一窓口は、時としてITILの代名詞のように使われることがあります。つまり、 単一窓口を実現することが、ITILを導入したことの証明であるかのように扱われることがあります。

顧客にとって窓口が一本化され、サービスを供給している組織と確実に会話ができることは大きな前進です。しかし、組織にとって単一窓口を提供することが最終目標ではあってはなりません。重要なのはサービスデスクのオペレーションを常に評価し、継続的に改善を図っていくことで顧客により良いサービスを提供する。それが、ITILの主張だと私は考えています。

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