バージョン3の「サービス戦略」には、サービスマネジメントを組織の能力としてだけではなく、戦略的な資産として実践していくためのガイドダンスが示されています。
この本には、サービスについての新たな発見があります。まずは、サービスの定義を確認しておきましょう。この本に限らず、バージョン3ではすべてのコア出版物にサービスの定義が示されています。
サービスとは、顧客の所有に関するコストやリスクなしで期待する結果を導き出し、顧客に価値を供給する手段である。
それでは、サービスが顧客に供給する価値はどのような要素で構成されているのでしょうか?サービスの価値は、何をしてくれるか(有用性)と、どのくらい期待できるか(保証)で成り立っていると説明しています。
例えば、レストランのサービスを例に考えてみましょう。
レストランが顧客に供給する有用性には次のようなものがあります。
上述の有用性をどのくらい確実に利用できるかが保証です。利用者は 次のような保証に基づいてレストランを選択します。
つまり、サービスはその有用性だけではなく、保証があって初めて利用されるのです。 しかし、もう一つ忘れてはならない選択基準があります。それは、サービスの価格です。
サービスの有用性と保証によってサービスの価値が形成され、その価値と対価(価格)の比較により、顧客はサービスを選択します。有用性や保証が相対的に小さくても、価格が納得いくものであれば顧客はそのサービスを選択します。
サービスの価値を高めることで、そのサービスの対価を高めることができますが、それにはサービスの有用性を高めるか、サービスに対する保証を高める必要があります。