ITIL 徒然草

有用性(Utility)


有用性と訳したこのユーティリティ(Utility)という用語は、 次の意味で使われています。

『あるニーズを満たすために、製品やサービスによって提供される機能』

有用性は、必要としている結果にプラスの効果をもたらす機能であり、 結果を得るための制約を取り除いてくれることも含まれています。

例えばタクシーというサービスは、 歩いたり、電車に乗ったりすることで労力を省いたり、 雨に濡れたり、道に迷ったりすることなく目的地に運んでくれるという プラスの効果をもたらします。

さらに、移動に時間がかかるという時間的な制約や、 移動時に何かができないという行動上の制約から解放してくれる こともあります。

通常タクシーに乗るときには、楽であることと時間が節約できることの 両方の利益を期待します。このタクシーを利用することで得られる効果の 総和が、タクシー・サービスの有用性です。我々は、タクシー・サービスの有用性と 料金を比較して、そのサービスを利用するかどうかを判断します。

タクシーのサービスを利用することが決まると、次にどの タクシーを利用するかを決めなければなりません。 タクシーの場合、選択基準は比較的単純です。それは、 より早くサービスを提供してくれることです。

しかし、サービスが市場で一般化するほど、顧客にとって有用性の差異を区別するのは 難しくなります。

有用性の差異が明確でないとき、 そのサービスを安心して利用できるという保証が選択基準なります。 顧客はより確実に結果を支援してくれる保証されたサービスを選択します。

我々がタクシーを利用するとき、 車の屋根にタクシー特有のライトが付いていたり、メータがあること、 さらに運転手が制服を着ていることなどで、目の前のタクシーが認可を得て、 タクシーのサービスを提供していると判断します。これが保証という 選択基準です。

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