ITIL 徒然草

機能


サービスデスクは機能であり、プロセスではありません。

ITIL のバージョン2には上述のような表現がありますが、かといって機能とは何かについての説明は見受けられません。バージョン3では、機能が様々な表現で説明されています。

機能は、決められた成果を導き出す責任を持って業務を遂行する専門組織です。

つまり機能というのは、何らかの使命を持った組織なのです。機能であるサービスデスクの使命は、ビジネスに対して単一窓口を提供することです。インシデントのコントロールを始め、運用レベルでのビジネスニーズに応えていく責任を持った組織とみなすことができます。

機能はその性能と成果に必要な能力とリソースを保有しています。

機能はその使命を果すために、専門的スキルのある人的資源が必要です。また、効率的に使命を果すためには、有効なツールも必要です。機能は人とツールの集合であると考えることができます。

機能は経験から得られた知識を蓄積し、所有します。

機能もまた、進化しなければなりません。機能はその使命を果しながら経験を積み、その経験を生かしてより効率的に課せられた使命を果たしていくことが求められています。

機能は、1つ以上のプロセスや活動を実行するリソースです。大きな組織ではいくつかの部門にまたがることもありますし、単一のグループで実現する場合もあります。

機能は必ずしも単一の組織ではありません。複数の組織がそれぞれの役割を担い、全体として課せられた使命を果すこともあります。バージョン3で取り上げられている技術管理機能は、通常一つの部門に課せられる使命ではありません。それぞれの専門技術部門が役割を分担し、技術管理機能の使命を果たします。

バージョン3では「サービス運用」で、次の4つの機能が説明されています。

  • サービスデスク
  • 技術管理
  • ITオペレーション管理
  • アプリケーション管理


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