前回は、狩野モデルと呼ばれる、 サービスの充足度と顧客満足度の関係を表現するグラフを紹介しました。 今回は、狩野モデルの評価表を紹介します。 これは、サービスの内容に対する顧客の印象を知ることで、 その属性が必要か否かを判断する、次のような表です。
そのサービスがない場合、どう感じるか | ||||||
好ましい | 当然である | どちらでもない | 容認する | 好ましくない | ||
そのサービス がある場合、 どう感じるか | 好ましい | 矛盾する回答 | 魅力品質要素 | 性能品質要素 | ||
当然である | 逆品質要素 | 無関心品質要素 | 基本品質要素 | |||
どちらでもない | ||||||
容認する | ||||||
好ましくない | 逆品質要素 | 矛盾する回答 |
例えば、ホテルのインターネット接続サービスに関するアンケートの結果が、 次のようであった場合で考えてみましょう。
【20代学生で最も多かった回答】
インターネット接続サービスがあった方が好ましい。
インターネット接続がなくても容認する
【40代ビジネスマン最も多かった回答】
インターネット接続サービスがあった方が好ましい。
インターネット接続がないのは好ましくない
【60代夫婦最も多かった回答】
インターネット接続サービスはあってもなくてもどちらでもよい。
この結果を狩野モデルの評価表に当てはめると次のようになります。
インターネット接続サービスがない場合、どう感じるか | ||||||
好ましい | 当然である | どちらでもない | 容認する | 好ましくない | ||
インターネット 接続サービス がある場合、 どう感じるか | 好ましい | 20代学生 | 40代ビジネスマン | |||
当然である | ||||||
どちらでもない | 60代夫婦 | |||||
容認する | ||||||
好ましくない |
20代の学生にとって、ホテルのインターネット接続サービスは魅力品質要素であり、 宿泊料金との兼ね合いでそのサービスを受けるか否かを判断します。
40代のビジネスマンにとって、そのサービスは性能品質要素であり、 そのホテルを選択するか否かの判断材料になるサービスとなります。
60代の夫婦にとって、そのサービスは無関心品質要素であり、 あってもなくても気にならないサービスになります。逆に言えば、 60代の夫婦連れをターゲットとするホテルでは、 インターネット接続サービスに対する投資は効果が薄く、 優先度の低いものとなります。
このように、市場のセグメント化と、 サービス属性の優先度を設定する際に効果を発揮するのが、 狩野モデルの評価表です。
次回は、2014/3/10の予定です。